■ Fink / Biscuits for breakfast

そもそもはNinjatuneからエレクトロニカやプレイクビーツ系の音をリリースしていたらしいミュージシャン/プロデュサーが、アコースティックな音を志向した第一弾アルバム。2006年リリース。未聴だが、この後、同じ路線でさらに2枚のアルバムを発表している。
彼一人でのトラックも数曲あるが、基本はベース、ドラムのメンバーとバンドスタイルでレコーディングが行われ、時にスライドギターやヴォーカルにもゲストを迎えるという形式のようだ。
アリソン・モイエのカヴァーが1曲含まれている以外は、共作も含め彼のオリジナル。
何をおいてもまずは彼の声である。このブルージーでソウルフル、かつ、けだるく虚無的で、またハードボイルドな声によって、彼のアコースティック・スタイルでのキャリアはある程度成功を約束されたのではないか。それほど魅力的な声である。「ブルージー」ゆえの「甘さ」も備わっている。
従って楽曲もおそらくこの声を生かす方向で制作されるというのが筋というものである。そしてそれがほぼ果たされて出来上がったのがこのアルバムだということになる。スライドギターが数曲で彼の「孤独」な横顔を演出するかのように実に効果的に響く。バッキングがスカスカなのも彼の声を生かすためだと考えれば充分にわかる。
次のステップがもしあるとしたら、エレクトリックなブルースへの試みだろうか。その際にこの声がどう変わるのかも聴いてみたい気がする。
試聴

