■ Cosiner & Capital / Haunt (2005) , Still (2006)

米在住日系トラックメイカーのコサイナーとギタリストのキャピタルの共演アルバム2枚。
メロディアスでちょっとジャジーだったり、ブラジルっぽかったりするコサイナーのトラックに、クリアなトーンのキュピタルのギターが乗るという形。プロデュースはどちらもコサイナー。
まずは'Haunt'から。
音色としてはキーボードとギターが中心でそこに時折ホーンの音が混じる体裁。
基本的に「リゾート・ミュージック」といっていいんだろう。余計なことは何もしない環境で聴く、余計なことは何もしない音楽。確かにそういうに足る楽曲も含まれているが、皆が必ずしもそういうタイプでというわけではない。妙に思わせぶりだったり屈折感があったり、というものも含まれている。せいぜいが、曇り空の下でのリゾート・ミュージックというくらいが適当かもしれない。そうなると最早それはリゾート・ミュージックでも何でもないということになるわけだが、それは言い換えれば、リゾートには縁も所縁もない私にも充分に楽しむことができるということにもなる。'Huant'なるタイトルが醸し出す不穏な不気味な要素も内包されているということだろう。スロウな曲には、いくらかセンティメンタルな展開も出てくるし、思ったより音の志向する幅は広い。
次に'Still'。
'Huant'の翌年リリースされたのがこのアルバム。
冒頭の1曲は、前作同様、イージー・リスニング的、リゾート的なタイプのもの。ただこの楽曲にしてからが、すでにアルバムタイトルに見合う「静謐さ」を漂わせている。
つまり、このアルバムも前作同様、音楽的な幅や深さはそれなりに維持されているということだ。メランコリックなムードが前作より強い感触もある。
コサイナーのトラックは基本的にシンプルながら、今回はパーカッションの響きがそこここに聞こえてきたり、キャビタルのギターにもスパニッシュ風、ブルース風な意匠が施されたりと、音に創意工夫は感じられる。決して聞き流す音にはなっていない。
音と音のあわいに呼吸を運ぶ隙間を取り入れながら、時に風鈴のように音を奏で、時にもの哀しく、憂鬱な情景も見せる。それらが皆控えめで涼しげなところに何よりこのユニットに真髄はあるのだろうと思わせる。
'Haunt'の試聴
'Still'の試聴

