■ Triosk / Moment Returns

トリオスクの単独名義のデビュー・アルバム。2004年リリース。
3人の編成は、ドラム/ヴァイヴ, キーボード/ヴァイヴ, ベース。
加えて各々にすべて'Loops'というクレジットもある。また収録曲2曲にヤン・イェリネックの'loop-finding-jazz-records'からのサンプルが使われているとのクレジットもある。
わかりやすく言うと、イェリネックとの'1+3+1'の音をトリオスクだけでやってみたらこうなったという趣の作品である。彼らがそれを意識したのかどうかはむろんわからないが、全体のムードは似ている。が、むろん相違点も感じる。こちらのほうが「サウンド」ではなく「楽曲」を意識したところが強いのではないかと思うのだ。たとえば「リリカル」な要素もここでは排除されていない。だから単純に、音楽としてはこちらのほうが聴きやすいとは言えるだろう。それは、もしかしたらベルリンとシドニーの違いなのかもしれないし、単にイェリネックとトリオスクの違いなのかもしれないが、なかなか興味深くはある。
しかしこうしたサウンドスケープの中でふと聴こえてくる清水のような生ピアノの響きには格別のものがある。こういう音が鳴らせるというのは、まずもって「耳がいい」のだろうと思う。
イェリネックのつくる音より、いい意味で「牧歌的」で「田園的」といえるかもしれない。
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