■ ホテルニュートーキョー / 2009 Spring / Summer

曽我部恵一主宰のレーベル'Rose Records'からデビューした、今谷忠弘率いるバンドの2ndアルバム。
クロスオーヴァーあるいはフュージョンをベースに、かなりポップなテイストを盛り込み、ただ「甘さ」は控えめに抑えた、洗練された都市の音楽、というあたりに落ち着くのかと思う。
ホーンが重なり、けだるい装いのコーラスが曲を導く。エレピが70年代的ムードを適度に振りまき、「ジャズ」はあくまで「アレンジ」としてのスパイスとして役割にとどめ、あくまで汗臭さは廃し、間口を広めに取った、まことに「ポップ」で「ラウンジー」で「イージー・リスニング」な音である。
なんだか、ここまで書くと却って皮肉を言っているように取られるかも知れないが、決してそうではない。
実にセンスのよいバンドである。ただ、やはりこれは相当意識されて練り上げられた、ある種、「スタイル」のみで構成された、きわめて「人工的」な音楽だと言えるかもしれない。ただし、その素材、あるいは「パーツ」は、これまでのポピュラー・ミュージックのエッセンスであるわけだからして、当然のように「先人」の温かい血が通ったものである。だからいくらエディトリアルにカット&ペーストして作り上げられたとしても、どうしたって我々の「心を打つ」ようにできている。
そういう意味では、きわめて「確信犯」的な音である。
そしてきわめてコンテンポラリーな音とも言える。
何も考えずに、ただ心地よい音に身をゆだねていればいい。
クオリティはこれまでの「ポップス」の歴史が保証してくれる。
やはり1stも聴いてみたくなった。
試聴
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