豆腐に柳

音楽、書物、映画等の感想、その他日々のあれこれ

Janek Schaefer / Extended Play [ Triptych for the Child Survivors of War and Conflict]

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 Janek Schaeferのアルバムをもう一枚。
 ギャラリー内でのインスタレーション作品として使われた音楽の再構築化アルバム。
 やや複雑な設定とその意図はバックカヴァーに記されているが、その内容が比較的要領よくまとまっているここなどを参考にしていただきたい。
 要は、9台のターンテーブルから流れるチェロ、ピアノ、ヴァイオリンの偶然による音響効果を再構成したものということになるのだろう。各々の楽器による楽曲が1曲ずつ収められ、その後3つの楽器によるアンサンブル、さらに最後に第二次大戦中のポーランドのラジオ音源が加わる。
 聴いてみて、ここも偶然によるはずの音楽が、ここでも実に「音楽的」に聴こえるということに改めて驚く。
 むろん、意図されたものよりはずっと不安定だし、不規則だが、だからこそというべきか、偶然のもたらす「豊かさ」はそこに否定しがたく現れている。
 同種の音が、また異種の音が回転数を変えて、重なることで、たとえば倍音のもたらす効果のような、時空の広がりが生まれるということも含めて、示唆深い実験であり、音であるように思える。
 そこには、上記でリングしたサイトでも触れられていたように、彼の母と彼の娘もまた重ねられているわけだろう。
 個人的に最も心動かされたのは、3つの楽器が重なる24分ものアコースティック・アンサンブルである。
 静かで穏かな、そして豊かでたおやかな時と空間の重なりがそこに広がるような、名状しがたい印象を残す。
 傑作、かな。

試聴
Janek Schaeferのサイト内の本アルバムページ

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Author:小林哲也
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