■ Luciano Souza / Tide

ルシアーナ・スーザの新作。
プロデュースは前作同様、夫君のラリー・クライン。
前作が、全編英語詞で統一されていたのに対し、今作ではポルトガル詞の作品が全10曲中3曲含まれている。
オリジナルは、ほぼスーザとクラインを中心にした共作形式で、ポルトガル詞の楽曲3曲中2曲は、ジョアン・ジルベルトのレパートリーのようで(コンポジションは別)、もう1曲は、Paulo Leminskiなる詩人にスーザが曲をつけたもののようだ。またE. E. Cummings(英語詩)に曲をつけた楽曲も含まれている。ほかにポール・サイモンのカヴァーが1曲。
参加ミュージシャンは、プロデューサーのクライン、おなじみのホメロ・ルバンボ以外には、ヴィニー・カリウタ(しかしよく出てくるな)、ラリー・ゴールディングス、ラリー・クーンス等。
オリジナルもカヴァーも楽曲もアレンジも皆、実によくできている。前作と甲乙付けがたい完成度。ミュージシャンたちも皆、いい仕事をしている。
前作との違いは、ポルトガル詞の楽曲のもたらす、リズムと陽性の空気だろうか。ただやはりなんと言ってもアルバムの色を決定づけるのは、彼女の透明な、そして落ち着いた声である。
そういう意味では、前作との大きな違いはない。その3曲もアルバムの流れの中で適度に新鮮に響く。
いや、それにしても、この音楽全体が、彼女の声同様に、清水のように清新な感触に満ちている。そんな風に感じさせるような音は、そうはない。
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