■ 坂本龍一 / Out Of Noise

冒頭の、耳なじみのいいメロディのきれいな曲を聴いて、ああ、こういうタイプのアルバムなのかと思ったら、その後まったく別の方向へシフトチェンジされてしまった。
中盤から後半にかけて、北極圏初め、世界各地で敢行されたフィールド・レコーディングを含むドローン、ノイズ系の音が連なっていく。
ゲストには、小山田圭吾、、高田蓮、クリスチャン・フェネス等。
現在のワールドワイドな、エレクトロニックな音楽の流れを結構意識し、それを展開、発展させた音に聞こえる。位置づけとしては、先述したようにドローン、アンビエント色が濃く、序盤と終盤には、生ピアノによる非常にメロディアスな要素も織り込まれる。
ただ、音そのものに対しては細心の配慮がなされ、おそらくこの手の音の中でも音そのものの「質感」では相当に「高品質」だろうと思う。
個人的には、音の趣向としては素直に歓迎する。
この作品のパッケージについてもそうだが(カーボン・オフセット等)、昨今の彼の、環境問題に対する姿勢も音に何らかの影響は与えているんだろうと思う。
ただ、特にごく最近、CO2や地球温暖化、という「問題」を我々は少々問題視しすぎているのではないかという趣旨の書物を読んだということもあるのだが、「環境問題」についてもそうしたある種直線的なものの見方ではなく、種々の視点も必要なんだろうとは思う。

