■ 池田清彦・養老孟司 / ほんとうの環境問題

昨年出て、当時それなりに話題になったのではなかったかと思う。
三章立ての構成で、軽めの一章を養老、分量的には最も多い二章が池田、三章が二人の対談という構成。
「環境問題」と一口に言っても、そこには様々な異なる問題が含まれるというところから話は始まり、昨今のCo2や温暖化の問題への疑義、あるいは「環境問題」は現在は、政治問題になっているとの指摘等々、興味深い内容になっている。
確かに既に、地球温暖化を問題視することへの疑問、そしてCo2が温暖化の主因とされることへの疑問等も出されているわけだから、その精緻な検証は必要だろう。一方で、石油資源に依存しているエネルギー問題は、様々な意味で、特に資源輸入国の日本にとっては大きな問題だろうから代替エルルギーを模索する作業は継続していく必要がある。国家レベルでは、本書で二人も言うように、予算や経費、要するに金の問題も、外交的な絡み(排出権の問題等)も含めて、重要な問題だろう。そういった様々な要素を日本政府はもっと真摯に精密に勘案していくことも必要だろう。要は、まだまだいくらでもやるべきことがあるのに、一種の「エコ・ブーム」に流されてしまっている現況は問題だろうということだ。
ただ、思ったのは、地球温暖化を問題視するのも、その原因を炭酸ガスだとするのも、いやそうじゃない、問題なのはむしろ寒冷化のほうだとするのも、私たち素人には判断のしようがないということである。そしてどうやら専門家にもそれは現時点では判断しかねる問題なのだろうと判断せざるを得ないということだ。であるなら、そうした現時点での状況を、できうるだけ素人にもわかりやすく伝えることがまずは先なのではないのかということだ。研究者ご自身の見解は、その後でいいのではないか。
二人が述べるように、何事にも良否はあるわけで、温暖化も同様であるはずだ。それをきちんと伝えてほしい。そこからしか始まらないように思った。
好評だったのか、この続編も昨年秋に出ているようだ。

