■ Aphex twin / Selected Ambient Works 85-92

エイフェックス・ツインは、実は今まで聴いたことがなかった。
特に理由があったわけではないが、たぶん試聴したものが肌に合わなかったのか、大した根拠のないイメージが私にあったのだろう。
それがふと「アンビエント・ワークス」というタイトルに気がつき、そうか1stアルバムなんだとも思い、試聴の上、中古で安く手に入ったら聴いてみようという思っていたら、 その機会がやってきた。
92年リリースらしいので、今から17年前のアルバムである。まったく古びていないとは思わないが、リリース時期の割には音は古くない。というより、音の選び方と重ね方を極めてシンプルにすることによって古びないようプロダクションが施されているということだろう。
彼がどの程度、その辺りを意識したかとは別に、音は結果として、ある種の射程の長さを獲得しているというべきか。
ただ、少なくとも私にとっての「アンビエント」な音ではない。たとえばブライアン・イーノ的な音とは随分距離があるのは確かである。
しかし一方で、このアルバムにこうしたタイトルを付けた理由もいくらかなら、わかる気がする。
たとえば「心象風景」を「アンビエント」という範疇に含めることが可能なら、これもまた「アンビエント」と読んでもいいかもしれない。
あるいはごく日常的な「都市空間」の喧騒が、ここでなぞられているという言い方も可能かもしれない。
たぶんテクノ・ミュージックにおいては「マイルストーン」のひとつという評価がなされている作品だろうが、やはりそれなりに頷ける。善し悪しは別にして、リズムもメロディも多くはリスナー・フレンドリーである。
ただ「それなりに」ではあるし、これを今積極的に聴こうとはあまり思わない。それがポップミュージックである限り、時代の「洗礼」は不可避なのだから。

