■ 柴田元幸・高橋源一郎 / 柴田さんと高橋さんの小説の読み方・書き方・訳し方

二人の対談集。敬称略で記すことに。
柴田が高橋に聞く「小説の書き方」、高橋が柴田に聞く「小説の訳し方」、二人が各々で選んだ小説を題材にした「小説の読み方」、総括として「小説の書き方、訳し方、読み方」からなる。
一応役割分担というか、単にものの考え方の違いというだけかもしれないが、柴田が熟慮、慎重型、高橋が、直観、アイディア閃き方という大まかな括り方ができるような気がする。
個人的には、年齢的に近い柴田の感じ方(私の3つ上。尤も近いのはたぶんそれだけだが。ちなみに高橋は、6つ上。)にシンパシーを感じることが多かった。ただ、そのあたりは、ここ数年の二人の書き物に対する私の感じ方、つまり柴田への好感と高橋への、以前に比較しての少々の物足りなさというか違和感というか、が反映されているようにも思う。
全体に、かなり興味深くおもしろく読めたのだが、いかんせん、このごろの私自身がほんど小説を読んでいないので、登場する作家や作品のことが二人の説明を別にすると、つまり自らの見方として、ほとんどわからなかった。
矢作俊彦や堀江敏幸、リチャード・パワーズが「積読」のまま長らく放置されているというのは以前なら考えにくかったのだが。と自身に対して「愚痴」を言っても仕方ない。
現実にそれなりに小説を読んでいると、さらにおもしろく読めるのは当然か。英語で原著を読んでいるとなおさらというのも当たり前ですね。
内容的になるほどなと思ったのは、二人が同意した「アメリカっていうのは要するにひとつのアイディアなんだ」と多くのアメリカの作家が語っているということ。現実としての「国家」ではなく「アイディア」であり「観念」だというのは、今後「アメリカ」を「理解」するために有効だろうという気がする

