豆腐に柳

音楽、書物、映画等の感想、その他日々のあれこれ

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Jess Roden / The Best Of

jessrodenbest03.jpg

 昨年、英チェリー・レッド傘下のLemon レコードからリリースされたジェス・ローデンのベスト・コンピレイション・アルバム。
 とはいえ全キャリアを網羅というわけではさらさらなく、アイランド時代の5枚のアルバムからの全18曲ということになる。
 ただ私も以前アナログで持っていた「Player Not The Game」から3曲と、こちらはその後探したが全然手に入らなくなってしまった「Stonechaser」から2曲が採られているのはファンとしては嬉しい。まぁ、他のアルバムでも私としては同様ではあるのだが。ただチェリー・レッドのさらにその傘下レーベルからのリリースというのが、何と言うか、幾許かの物悲しさを感じさせてしまう。が、実はこのレーベルの「位置づけ」が私にはできないので、それもまったく当てにならないのだが。
 たとえばライノの再発レーベルの「Wounded Bird」あたりが権利を取って全アルバム一挙リリースなどということをやってくれないだろうかと思ったりするわけである、個人的には。
 閑話休題。
 ジェス・ローデンは、要は、大雑把に言えば、裏ジャケのライナーにも記してあるとおり、ポール・ロジャースやロバート・パーマー、ウィンウッドあたりの系列に属する、正統的なブリティッシュ・ブルー・アイド・ソウル・シンガーの一人である。まぁ、「個性」ということでいえば、みんなばらばらなんだが。
 実に「歌える」シンガーの割りに、彼が、上記のシンガーたちに比しても、世間的な評価が低いのはなぜなんだろうかと思う。音楽的にはいくらか幅はあるが、それは焦点の定めにくさに繋がるようなものではない。
 このアルバムでも、バッキングも含めて出来のよい曲がずらっと並ぶ。けれんみかないと言えばないし、地味と言えば言えなくもないが、まっとうで味わい深いいい曲揃いである。
 上記シンガーたちに反応された方は聴いてみても損はない。

 試聴

彼女のいる背表紙 / 堀江敏幸

彼女堀江敏幸

 雑誌「クロワッサン」での連載をまとめたものとのこと。
 タイトルは、著者がこれまでに読み親しんできた、小説・物語の中に登場する印象深い女性を紹介していくという企画の趣旨に由来している。
 一回の分量がおよそ5ページ分くらいの短い文章ゆえか、これまでの著者とは少々異なった印象を持つ文章も見つけられる。
 おそらく著者自身にそういう意識はなかったのだろうが、妙に「詩的」な印象をもたらす文章に何度か遭遇することとなった。それはむろん、一度読んだ切りの、また私の実に個人的な感想に過ぎないし、中身と量の釣り合いの取れなさ、つまり「短かすぎる」との気持ちを毎回否定できないまま感じざるを得なかった何某か、「せわしなさ」に通じる感覚ゆえかもしれないが、いつも、どちらかというと、あるひとつの「印象」を丁寧になぞり描写しようとする著者の、新たな一面を偶然発見したとでもいうような新鮮さを感じたのも、また確かなことだった。
 ある種の「飛躍」や「省略」、また実線でつなぐべきところをあえて破線や点でつないでいくことの効果と意味を改めて感じたりもした。

The Black Crowes / Freak 'n' Roll ... Into the fog The Black Crowes all join hands The Fillmore, San Francisco

blackcroweslive.jpg

 これを入手したのは結構前だが、今もちょくちょく聴く。
 リスナーとして、かなりの期間「ロック」から離れていたのだが、このバンドはそれなりに好感をもっていた。
 活動休止期間を挟んでの一応「復活」ツアーから、2005年のサンフランシスコ、フィルモアのライブ音源を2枚組にまとめたもの。
 バンドを離れていたギターのマーク・フォードとキーボードのエディ・ハーシュも加わり、白熱したかつ円熟味も感じさせる演奏が聴ける。
 カヴァーもジョー・コッカーの「スペース・キャプテン」、オーティス・レディングの「ハード・トゥ・ハンドル」、ウィリー・ディクソンの「メロウ・ダウン・イージー」、さらに2枚目の掉尾を飾るのはバンドの「ザ・ナイト・ゼイ・ドローブ・オール・ディキシー・ダウン」。
 いやなかなかにセンスを感じさせる。
 曲によってホーン・セクションもフューチャーしているのは、何だかそのバンドの「ロック・オブ・エイジズ」を思わせたりもする。女性コーラス隊もいい雰囲気を醸し出している。
 音の性格こそ違えど、場の成り立ちようの近似値として思い浮かべたは、たとえば上記のバンドであり、オールマンである。南部の香りとソウル・ミュージック。加えて彼らには、「モダン」な都会性もいくらかということになろうか。
 いや、悪くない。

 試聴

内田樹 / 日本辺境論

内田樹日本辺境論

 売れているそうである。この間どこかで目にした記事によると20万部とか。
 読了したのは昨年である。
 書物の眼目は、すでに教授のブログで触れられていることだが、それを緻密に詳細に書物化したのが本書ということになるだろう。
 非常に読み応えがある。
 趣旨は、タイトルからある程度想像がつくように、日本は、中国や米国といった「世界の中心」に「キャッチ・アップ」するという心性・姿勢を持ちえたときにその能力を十全に発揮できる可能性が高いというようなことである。たぶん。
 一読をお薦めする。

 なお、しばらくは、書物にしろ、音楽系にしろ、「短縮版」でいくことにしたい。

今しばらく


申し訳ない。
ここのところ更新が滞っている。
ネタがないわけではなく、プライオリティーに従ってやるべきことをやっているうちに、結果的に書く時間がとれなくなっているということである。むろん「ムダ」もあるわけだが。
今週のうちには、何とかと考えているのだが、どうなるやら。


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